大津ジャズフェスに行く②

     賑わったおまつり広場
     賑わったおまつり広場

10月16日の午後。「大津ジャズフェスティバル」のメイン会場のなぎさ公園おまつり広場(同市打出浜)は、無料で音楽が聴けるとあって、多くの人で賑わっていた。天気は晴れ。こうした屋外のライブ会場の観客には嬉しい。 この2日間でJR大津駅前、スカイプラザ、旧大津公会堂などのメイン会場に加え、市街のお店やお寺など(パートナー会場)では、多くのライブが催された。プロ・アマ合わせて約120組・千人の出演だという。

 

私のきょうの目当てはビッグバンドの「Music Ace Jazz Orchestra」や「Joshua Rodriguez Jazz Orchestra」だ。ミュージック・エースは賀県守山市を拠点に滋賀県南部、京都を中心に活動する社会人ビッグバンドで、結成して50年以上の活動歴を持ちメンバーも多彩な顔ぶれだ。また、後者は大阪芸術大学の卒業生を中心とした若さあふれる演奏だ。

 

また、このメイン会場に隣接して生ビールを飲み比べる「ワールドびわガーデン」(有料)も同時開催され、ペルーやスリランカといった各国のワールドフーズのお店や、滋賀県産野菜や手作りのアクセサリー&雑貨の販売も。昨日は前滋賀県知事の嘉田さんが、きょうは大津市長の越さんが演奏の合間に舞台でこのコーナーをPRしていた。

 

広場では、ジャズだけでなくポップスや昭和歌謡など、幅広いジャンルの音楽が流れている。演奏に合わせて体を揺らす若いふたり、びわ湖に突き出た桟橋で釣りをする人、マイケル・ジャクソン風な格好で踊っている子供さんもいる。また、学校帰りの途中らしき女子高生は、リュックを背に楽器ケースを手にしてステージを立ち見していた。みんな音楽が好きなのだ。

 

曲はバラードになった。私はこうした曲は聴くだけで涙が出そうになる。ステージ前列の椅子に腰掛けた中年の男性が、目をつむり聴いている。そんな横顔を見た私は思った。「きょうはどんな1日だったのだろう」。

 

次第に日が落ちてきた。対岸の山々の上を見ると白い満月が見えてきた。

 

こうして会場の参加者と私は、やさしい風と光のさわやかな秋の中、心ゆくまで音楽に浸り2日間を楽しく過ごしたのだった。