紅葉の百済寺

     美しい参道の紅葉
     美しい参道の紅葉

全国の紅葉シーズンの報道に刺激された私たち夫婦は、滋賀県東近江市の百済寺に車で出かけました。11月中旬のことです。天気は晴れ。朝食を終えた後、妻はお弁当作りを始めました。いざ出発が決まるとサクサクと手際が良い。

 

車を利用した場合は名神八日市ICより約10分という距離です。過去数回訪れているので道順は知っています。予定通りお昼前には到着。京都などの有名観光地と違って意外なほど車も少なく駐車場も空いています。「穴場かもね」とふたりの会話。

 

受付で料金を払いパンフレットをいただく。お決まりのコース順で歩きます。本坊の庭園は東の山を借景に、大きな池と巨岩を配した豪華な池泉廻遊式ならびに観賞式の庭園です。池の鯉に餌をやり写真を撮ります。

 

山の傾斜を上ります。小高い「遠望台」から琵琶湖や遠方の比叡山など、広大なパノラマ展望が望めます。その前方はるか先には、往時の「百済国」があったといいます。小さな感動です。

参道の石段を上り仁王門に到着。「百寺巡礼」で有名な作家・五木寛之氏が、この百済寺の大草鞋(ぞうり)に触れて以来、脚光を浴びているそうです。成るほどさすがに大きい。

 

さらに本堂へ。近くの金剛輪寺・西明寺の本堂よりも小さいですが、天台形式の構造をもった均整のとれた建造物で、平成16年12月に文化庁より重要文化財の指定を受けています。私は鐘楼で鐘をつき祈願。「何をお願いしたの?」と妻。「内緒」と私。(笑)。

 

参道を下りながら周囲の数百もの宿坊跡に、往時の繁栄を偲びます。再び本坊まで戻り、黄色くなったいちょうの木の下で持参したお弁当を。「やっぱり外でいただくと美味しいね」。

 

観光バスが到着したせいもあり、周囲は次第に賑わってきました。紅葉のシーズンが終わるといよいよ冬の到来です。こうした四季に恵まれた日本の自然に、改めて感謝した一日でした。

(画像:百済寺のHPより)